1回目：士業のホームページの目的

弁護士，法律事務所，司法書士等の士業の方が｢ホームページを作成しよう｣と考えたときまず検討すべき事があります。

それは｢ホームページを制作する目的と方向性｣を明確にすることです。

この点を明確にしないでホームページを制作してしまうと，後から変えることが極めて困難になり，いたずらにコストがかかってしまう結果になりかねません。

ホームページを作成する目的や意図は以下の様なものがあるかと思います。

このページの目次

名刺代わりのホームページ

インターネットが普及してから企業や店舗でもホームページを持つことが当たり前の時代になりました。

このような流れから弁護士，法律事務所，司法書士等の士業の方も｢とりあえずホームページを持つ｣や｢名刺交換をした人に名刺に記載できなかった情報を提供する｣など，事務所案内を兼ねた名刺代わりのホームページを持つパターンです。

このような名刺代わりのホームページが適している弁護士や法律事務所は｢積極的にメディア等に露出している｣，｢大量に名刺交換をしている｣などの事情があり事務所名や氏名などの固有名詞で検索される可能性が高い方です。

また，いうまでもなく特に集客を必要としていないような方もこのような名刺代わりのホームページの利用が適しているといえます。

ホームページを持つ目的を｢集客｣とした場合，上記の名刺代わりのホームページとは以下の点が大きく異なります。

名刺代わりのホームページは固有名詞を検索ワードにして｢特定の人を探す人｣がターゲットになりますが，集客を目的とする場合は｢弁護士や司法書士を探す人｣がターゲットになります。
このためホームページにターゲット(法律問題等に悩んでいる人など)が入力しうるキーワードをホームページに含める必要があります。

名刺代わりのホームページであれば，ホームページを派手にして個性を出したり，積極的に動画や動的なコンテンツを含めたりするのも良いでしょう。

しかし，集客を目的とした場合，ホームページを派手にしすぎてしまうと｢本当に誘導したいコンテンツ(ページ)｣が目立たなくなってしまい，問い合わせにつなげるための動線を確保することが出来なくなってしまいます。

そのため，デザインは可能な限りコンテンツを解りやすくシンプルにし，本当に目立たせるべきコンテンツのみを目立たせるなどの工夫が必要になります。

名刺代わりのホームページの場合，｢人｣のみをアピール出来れば良いのですが，集客を目的とした場合は｢人｣と｢サービス｣をアピールすることが必要です。

人をアピールするときは理念を掲げるなどが考えられますが，サービスをアピールする場合は｢どんな問題を解決するのか｣，｢サービスを利用することこんなメリットがある｣ということを掲げることでアピールすることができます。

名刺代わりのホームページは事務所案内の延長にありますので，プロフィール，事務所所在地，弁護士費用などのコンテンツが考えられますが，集客を目的とした場合は(1)と重複してしまいますが，SEO対策やリスティング広告などを考慮したコンテンツが必要になります。

私どもにお問い合せを頂いたお客様のお話を聞いているとどうも集客用ホームページとブランディングホームページを誤って理解している方が多いように感じます。

そもそもブランディングの目的は収益性アップのほかイメージ戦略などが多いと思います。
しかし，収益性のアップも事務所に対するイメージも顧客心理に隠された”信頼感”があることを忘れがちです。

例えば，
高級なカバンと言えば，｢Louis Vuittonなど｣
高級な車と言えば｢Mercedes-Benzなど｣
安くて良い服と言えば｢ユニクロなど｣
と多くの方がもつイメージがあるかと思います。

ユニクロであれば”安くて良い服”というようにブランディングは商品やブランドに対する信頼やイメージがあってこそ成り立つのです。

にも関わらず，まだ認知されていないような事務所が顧客の信頼やイメージを無視してブランディングをしようとしている方が多いのです。

クライアントが事務所に対して一定のイメージや信頼が無い状態で”ブランディング”を目指すと”自己満足のイタイ事務所”になりかねません。
ブランディングよりもポジショニングを先に考えるべきです。(あそこの事務所に頼めばこの問題は解決してくれるというような”信頼”です)

もちろん，積極的に広告を出したりしている事務所などで知名度などがあれば，次に目指すところはブランディングだと思いますのでブランディングが悪いというつもりはありませんが，ブランディングの前にすべきことがあるのです。

長くなってしまいましたがいかがでしたか？ホームページを作成する前に”作る目的”や”意図”を明確にするための参考になれば幸いです。

弁護士，法律事務所，司法書士等の士業の集客用ホームページとブランディングホームページに強いです。
強い理由は，｢合理的かつ効率的に集客ができるコンテンツの提案力｣・｢情報の分析力｣・｢情報収集力｣にあります。
コンテンツは構成案を作成し｢受任につながりやすいキーワード｣をお知らせしております。