弁護士，法律事務所，司法書士事務所などがホームページ制作・運営している割合も増えてきてしばらくが経ちますが，色々な変化があったと思います。
今までも”インターネットを利用して弁護士や司法書士探す”というときは，検索エンジンで弁護士や司法書士を検索し，様々な事務所と比較して問い合わせをするという流れはあまり変わっていません。
それでは一体何が変わったと感じているのかですが，ずばり｢比較する件数｣と｢比較する視点｣です。
●比較する件数が大きく変わった
ホームページを持っていない弁護士，法律事務所，司法書士事務所が多かったような時代は，当然に比較される事務所が少なく，ユーザー(相談者や依頼者)の選択肢も非常に少なかったです。
しかし，現在は，多くの弁護士や司法書士の事務所がホームページを持つようになり，加えて，ホームページ＝集客ツールという認識が広まっていることもあって，積極的にホームページが活用されています。
そのため，比較対象の事務所が増加し，ユーザーが法律事務所や司法書士事務所のホームページを閲覧してから問い合わせに至るまでの検索の活動時間が長くなっています。
特に顕著に表れていると感じているのが，ユーザーがホームページへはじめてアクセスして，しばらくの間，法律事務所や司法書士事務所のホームページ内で様々なコンテンツを見たあと，一旦ホームページを離脱し数時間～数日などの時間をあけてから再度アクセスしてくる。というパターンが増加しています。
このようなアクセスには競合事務所などの同業者のものも多いことが推測されますが，実際に相談をしてくるユーザーも上記の様に”問い合わせをしてくるまでの時間が長時間化”しています。
これは，今までと違い，”比較したいと思う弁護士や司法書士”の件数が増えたことが一つの理由だと考えられ，実際に定期あるいは不定期にフィードバックをいただいているお客様に，相談にきた方に話を聞いてもらったところ，やはりホームページを認識してから実際に問い合わせをしてくるまでには相当の時間があいていて，比較していたという方が多く存在しました。
特に，債務整理などの自分にとってデメリットがあると考えられているような業務はどうしても決断できないせいもあってか，”まだ返済ができている”というような危機感が比較的薄い段階の方はホームページを認識してから実際に問い合わせをするまでに2ヶ月以上かかり，その間，様々な事務所のホームページを見て比較していたという人も多かったほどです。
それでは，このような状況で弁護士や司法書士のホームページを活用してどのようなアプローチをしていくのが良いのでしょうか？
一言で言ってしまえば，｢差別化｣と｢サービス業という認識｣を十分に意識してマーケティング活動をすることがとても重要です。
余談ですが，ユーザーが「比較している基準｣や｢弁護士や司法書士を選ぶ基準｣が以前と比べて少し変化しており，”クライアントの声”は大変参考になると思います。
以下に一例を挙げたいと思います。
｢ホームページを見て詳しい情報を配信していたから｣
→いままでは情報の多寡はあまり重要視されていなかった
｢人柄が良さそうだったから｣
→人柄よりも”経験年数などを重視する人が多かった
｢気軽に話せそうだったから｣
→”お友達感覚”で相談したい人が確実に増加している
｢積極的に営業されるのが嫌だったから控えめなところを探した｣
→営業色が強すぎる事務所を嫌う人が増加した
｢信頼できそうだったから｣
→ 他の事務所で相談して，”信頼できない士業”にあたったことのある人が多い
｢●●に強そうだったから｣
→ 弁護士なら誰でも良いというわけではなく，”精通している”ように見える人に依頼する傾向が強くなった
というような，お客様の声をしっかりうけとめて，良い部分は伸ばしていくべきだと思います。
弁護士，法律事務所，司法書士事務所のホームページ制作においても上記のような点を意識して，必要に応じて差別化などのご提案をしていきたいと思います。
一見すると，ホームページを制作する法律事務所や司法書士が増えて大変になっているような印象もあるかも知れません。
確かに，公開した直後からしばらくは大変ですが，ある一定の期間を超えると，”ライバルが多くて良かった”と思うこともあるのです。この点については，別の機会で書いてみたいと思います。
