弁護士や法律事務所のホームページを数多く制作していると,”改善”という壁にぶち当たることもあります。
弁護士個人のHPや法律事務所の事務所単位のホームページでは集客を目的としている方も多いため,単にホームページを制作して,ハイ終わり!というわけにはいかないのです。
事務所案内やパンフレットのような役割のホームページであれば,お客様のご希望通りに仕上げれば良いので比較的簡単ですが,集客を目的として制作するホームページは様々な点に気をつけなくてはなりません。
様々な点に気をつけてホームページを制作しても改善が必要になることがあります。
前置きが長くなってしまいましたが,今回のコラムは弁護士や法律事務所のホームページで刑事事件を扱われている方の改善事例です。
ある,刑事弁護を扱われている弁護士の方はホームページを公開してから,数ヶ月で順位が順調に上昇し,アクセス数も増加傾向にありました。
しかし,アクセス数のわりにお問い合せフォームの「送信ボタン」がクリックされた形跡がなかったのです。
※私どものホームページはこの”送信ボタン”がクリックされた回数をカウントしています。
さっそく,弁護士のお客様に連絡をし確認したところ,電話での問い合わせはぼちぼちあるけど,お問い合せフォームからのお問い合せは全くなかったのです。
しかも,私どもの経験上,この電話での問い合わせの件数もやや少ない印象を受けていました。
そこで,私どもでは,この弁護士のお客様のホームページの下記の点を確認しました。
・直帰率(ホームページを閲覧して2ページ目を開かず離脱する率)
・離脱率(特定のページを離脱している率)
・ホームページの滞在時間(ホームページを閲覧している時間)
この3点を特に分析をさせていただき,直帰率が高いことが解ったため,すぐに改善の準備にとりかかりました。
直帰率が通常のホームページよりも非常に高かったため,離脱率や滞在時間はこの時点では参考にならないと考え,直帰率の改善を最優先事項として位置づけ,改善を実行しました。
このホームページは,お客様の強いご要望で「重たい雰囲気の色」を希望されていたこともあり,お客様のご要望通りホームページを制作して大変喜んでいただけました。
しかし,現実問題として,集客を目的としている以上は,お客様に喜んでいただくことよりも集客に重点をおかなくてはならないため,お客様に事情を説明し,雰囲気をガラッと変えました。
具体的には,重い雰囲気の色合いを明るくし,使用している素材写真も重たい感じのものを明るい感じのものに一気に差し替えました。
約1ヶ月ほど様子を見ていたところ,直帰率の改善はすぐに数字に表れ,お問い合せフォームからも少しずつではありますが問い合わせを増やすことに成功しました。
この事例は私どもでも非常に貴重な経験になり,特に「お客様の希望にお応えするよりも,集客に重点をおいたほうがお客様に喜ばれる」ことを痛感した案件になりました。
それ以降,お客様のご希望自体が,SEOの視点,マーケティングの視点,ユーザーの行動心理の視点で思わしくないときは,安易にご希望に添うことはせず,事例や資料をお見せしてご理解を頂くように努めています。
それでも,ご理解いただけない場合はありますが,最大限お客様のご要望をくみ取りつつ,落としどころをみつけています。
今回は法律事務所ではなく,弁護士個人の方のホームページの事例ですが,同様のケースは法律事務所の場合もあります。