リマーケティング広告(通称:ストーカー広告)について

GoogleアドワーズやYahoo!プロモーション広告の一つにリターゲティングやリーマーケティングという種類(機能)のものがあります。
 
この広告がどんな広告かというと,皆様も経験があるかも知れませんが,「一度アクセスしたホームページの広告が色々なホームページで表示される」ものです。
 
例えば,洋服を調べたあと,全く異なるホームページを見ていても以前見ていたホームページのバナー広告が表示されたりした経験はありませんか?
 
これは通称ストーカー広告とも呼ばれ,閲覧者を追跡して広告を表示させることができる機能です。
 
最近この広告について,お問い合せをよく頂きますので,重要なポイントを書いてみたいと思います。
 
まず,結論から申し上げると,リターゲティングやリマーケティングは弁護士や司法書士のホームページではおすすめできるケースは極めて稀です。
 
そもそも,弁護士や司法書士の士業が扱う業務のうち,下記に関するものはリマーケティングでは禁止されています。
 
厳しい経済状況(パーソナライズド広告の場合)
個人の債務や経済的な困窮
 ex) 債務整理などに関するもの
 
人間関係(パーソナライズド広告の場合)
家族や友人との関係、その他の対人関係における個人的な窮状
 ex) 離婚,死別への対応を推認させるもの
 
犯罪(パーソナライズド広告の場合)
個人の犯罪歴、前科、犯罪の嫌疑、起訴歴
 ex) 刑事事件に関するもの
 
虐待や心的外傷(パーソナライズド広告の場合)
虐待、犯罪、その他のトラウマ的な出来事の被害経験
 ex) 家庭内暴力等に関するもの(保護施設を含む)
 
トランスジェンダーの性別認識(パーソナライズド広告の場合)
出生時に与えられた性別と異なる性別意識、または男性や女性といった単一の性別意識と合致しない性別
 ex) トランスジェンダー差別等を扱う弁護士の広告など
 
 
勘の鋭い方ですと,お気づきかも知れませんが例えば,「離婚」や「刑事事件」などのデリケートな問題を検索し閲覧したホームページがあるとします。
 
この離婚や刑事事件に関するホームページを見たあとに,しばらくの間,他のホームページを見ていても離婚や刑事事件に関する広告が表示されてしまうのです。
 
このような広告を,職場のパソコンや自宅の共有パソコンで閲覧した方は非常に困ることでしょう。
しかもこの広告は広告主が設定した期間や回数を設定することができるので一定期間は確実に表示されてしまいます。
 
「夫に内緒で離婚について調べていたところ,ある離婚サイトを閲覧する」というケースは少なくないはずです。
 
オンラインショップなどで何か商品を購入したユーザーに対して広告を表示させたり,デリケートな問題ではない業務の顧問弁護士のバナーなどは,とても効率が良いと思いますが,弁護士や司法書士がインターネットで集客をしようとする業務の多くは,そのまま広告を表示させると「不快」にさせかねませんので細心の注意が必要です。ガイドライン以前の問題ですよね。
 
広告は出し方によっては不快感を与えてしまい,法律事務所や司法書士事務所のイメージに打撃を与えかねませんので慎重に判断すべきで,本当に「ユーザーがその広告を求めているのか」を考えなくては,イメージが悪くなるだけで無く,広告としても費用対効果が悪くなります。
 
この点については,様々な経験があり,検証も行なっていますので,広告を出す前に是非ご相談下さい。
 
せっかく法律事務所や司法書士事務所のホームページを制作しても,広告戦略を間違えると大変なことになってしまいますので,もし広告を既に出している方は一度見直してみてはいかがでしょうか



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